■FX関連ニュース・ゴールド価格予想:米銀行や情勢の懸念からXAU/USDが2,000ドル超えを攻める

米国の重要な指標に先立ち、金価格は米ドルの状況を無視して上昇傾向にあります。
ファースト・リパブリック銀行の決算や米国債務上限問題のリスク回避がXAU/USD価格を推進しています。

  • 米国債利回りや耐久財受注に注目
    • 米国GDPや、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)の前に、連邦準備制度理事会(FRB)が求めるインフレゲージが鍵と見られています。

      XAU/USDは、3日連続で2,000ドル前後で前向きな推移を続けています。これにより、直近の銀行不安、米国の債務上限期限に関する懸念、そして連邦準備制度理事会(FRB)の政策転換によるリスク回避の波に乗っています。尚、XAU/USDの上昇に対して、3月の米国耐久財受注の前に米ドルの回復が影響を与えています。

      銀行の問題や米国の市場不安でリスク回避需要が高まったことにより、金価格は上昇トレンドチャネル内にとどまっている。ただし、本日(4/26)の3月の耐久財受注や主要中央銀行の市場信頼回復策に対する警戒感から、XAU/USDの買い手にとって課題となっています。

  • 市場の信頼回復に向けて
    • 火曜日には、First Republic Bank(FRB)の失望を招いた決算報告と、経営陣が質問に応じず、利益見通しも出さなかったことが銀行不安の新たな波を引き起こしました。

      しかし、主要中央銀行は、最初の銀行危機の最中に開始された米ドルの流動性オペレーションを削減することで市場の信頼回復をしようとしています。
      「世界最大の中央銀行が、5月から米国連邦準備制度理事会とのドル流動性オペレーションの頻度を減らすことを発表し、先月の金融市場の波乱は実質的に終わったことを示す最も明確な信号を送った」とイギリスの報道機関Reutersは伝えています。

  • デフォルト(債務不履行)危機も?
    • 銀行危機に加え、6月に現在の上限が切れるという米国の債務上限切れの恐れもリスクを圧迫しています。米国財務長官ジャネット・イエレン氏は、議会が政府の債務上限を引き上げない場合、すなわちデフォルト(債務不履行)が発生した場合、金利が数年にわたって上昇する「経済的な大惨事」が引き起こされると警告しています。

      この背景にあることから、ウォールストリートは下落し、米国債券利回りも下落し、それによって米ドル指数(DXY)は3日間の下落トレンドを終えました。

    • 米国の経済指標が低調も
    • 4月の消費者信頼感指数が前月の104.0から101.3に低下したことが報じられました。さらに、現況指数が148.9から151.1に上昇した一方で、消費者期待指数は74から68.1に低下し、1年後の消費者物価上昇率も3月の6.3%から4月は6.2%に低下しました。
      また、米国の3月の新築住宅販売数は、市場予想の0.634に対して0.683Mに上昇し、S&P/Case-Shillerホームプライス指数や住宅価格指数も、2月の市場予想を上回って0.4%と0.5%に上昇しました。

      今後、リスク回避のムードや米国債利回りの低迷が続くことにより、3月の米国耐久財受注(前月比+0.8%、前回-1.0%)発表前にも、金価格は引き続き強含みとなると見れています。