■経済ニュース・ファースト・リパブリック銀行が経営破綻、資産規模で見るとリーマン・ショック後で最大、史上2番目の銀行の破綻

米連邦預金保険公社(FDIC)は米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)が経営破綻し、公的管理下に置いたと発表。
また、同時に米銀最大手JPモルガン・チェースがFRCの預金と資産を買収するとも発表

  • 総資産は2291億ドル
    • アメリカの金融当局は、経営の懸念が高まっていた銀行ファースト・リパブリック・バンクが経営破綻し、預金と資産をJPモルガン・チェースが買収すると発表しました。
      この銀行の総資産は、去年末の時点でおよそ2291億ドル、日本円でおよそ31兆円と、アメリカの銀行破綻では、2008年に起きた貯蓄金融機関「ワシントン・ミューチュアル」の破綻に次ぐ、2番目の規模でした。

  • ファースト・リパブリック・バンクとは
    • 1985年に創業した地方銀行で、サンフランシスコやロサンゼルスのほか、東部ニューヨークやボストンなど全米8つの州に84の店舗を展開しています。
      3月、アメリカで銀行の経営破綻が相次ぐなか、去年末時点のこの銀行の預金残高のうち、保護されない預金の割合が推定で、およそ67%と大きかったことなどから、顧客が預金を引き出す動きが強まり、株価が急落して経営への懸念が高まりました。

      このため、3月16日には金融大手JPモルガン・チェースなど11の大手金融機関から、支援策として合わせて300億ドルの預金を受け取りました。

      しかし、4月24日に発表した、2023年1月から3月までの3か月間の決算で、3月末時点の預金残高が、去年の年末時点と比べて719億ドル、日本円でおよそ9兆6000億円減少したことが明らかになると、再び、経営への懸念が高まります。
      株価は翌日の25日から急落し、
      去年12月30日に121ドル余りだった銀行の株価は、4月28日には3ドル余りとなり、30分の1以下となっていました。