■FX関連ニュース・ゴールド価格予測:XAU/USDは控え目に上昇も、強気材料に欠け、伸び悩む
ゴールド価格予測
金価格はアジア市場で控えめな上昇傾向にあります。今後、米ドルの反発と利上げ懸念が上値の制約となり、1週間の高値を超える動きが鈍る可能性があります。
概要
目次
当面の売り圧力から保護される可能性
木曜日のアジア市場では、XAU/USDは一時的に一週間以上の高値である前日に触れた1,975から1,976ドル辺りで一部の買いが入り、一時的に下落の動きが停滞しているようです。米株先物の弱含みは、安全資産としての貴金属を後押しする重要な要因と見られています。加えて、FRBがこれ以上金利を引き上げないと広がる認識が、金価格に追加的なサポートを提供しています。
ただし、米消費者物価指数の軟調を受けた9月1日以来の安値から、さらなる回復を続ける必要があります。先週の米国小売売上高は10月に予想を下回り、強強かった前月の数値が上方修正されたことで、米国債利回りは好転しました。
このため、XAU/USDに対する強気の取引をする前には注意が必要です。
市場動向
・金価格は上昇に転じるも、上値は限定的となっています。
・10月の米生産者物価指数(PPI)は、2020年4月以来最大の低下幅を記録し、0.5%低下しました。さらに、9月のデータも下方修正され、PPIが0.5%増ではなく0.4%増となりました。
・火曜日に発表された米消費者物価指数(CPI)では、消費者インフレの冷え込みが予想以上に早く、米連邦準備制度理事会の利上げ打ち切り観測が強まりました。
・10月の米小売売上高は7ヵ月ぶりに前年同月を下回ったが、予想よりも減少は小さく、9月データの上方修正とともに、強い伸びを示しています。
・サンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー総裁は水曜日のフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューに応じ、中央銀行が消費者物価を目標の2%まで押し下げるのに十分な成果を上げたかどうかが不透明であることを強調しました。
・これが米ドルをサポートし、金価格の意義ある上昇を抑制する要因となるはずです。
・市場参加者は現在、週次新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業指数、鉱工業生産が発表される米経済指標に注目しています。
金のテクニカル分析
テクニカルの観点から、水曜日に一週間の高値である1,975から1,976ドル辺りが現在直面している上値となっているようです。持続的な強さがあれば、金価格は1,991-1,992ドル辺りの障壁を越え、心理的な2,000ドルの節目を目指す可能性があります。勢いは2,009-2,010ドルの範囲に向けて拡大する可能性があります。
一方で、1,955-1,950ドル辺りが直近の下値を保護する可能性があります。これは200日単純移動平均(SMA)が現在の1,935ドル辺りに位置しており、これに続いて100日および50日のSMAが1,928-1,925ドルのゾーンに位置しています。ここを下回れば、金価格は脆弱になり、1,900ドルに向けての急落が加速する可能性があります。
重要: テクニカルな見方に基づいた分析は参考として提供されており、投資の決定をする際には他の要素と併せて考慮してください。
今週の米ドル相場
以下の表は、今日の主要通貨に対する米ドル(USD)のパーセンテージ変動を示しています。米ドルは日本円に対して最も弱かったです。
USD | EUR | GBP | CAD | AUD | JPY | NZD | CHF | |
USD | 0.18% | 0.25% | 0.20% | 0.68% | 0.04% | 0.81% | 0.15% | |
EUR | -0.18% | 0.06% | 0.01% | 0.50% | -0.14% | 0.63% | -0.04% | |
GBP | -0.25% | -0.06% | -0.04% | 0.45% | -0.20% | 0.58% | -0.10% | |
CAD | -0.19% | 0.02% | 0.04% | 0.47% | -0.14% | 0.62% | -0.04% | |
AUD | -0.68% | -0.51% | -0.44% | -0.48% | -0.65% | 0.13% | -0.55% | |
JPY | -0.03% | 0.13% | 0.19% | 0.17% | 0.65% | 0.78% | 0.10% | |
NZD | -0.81% | -0.63% | -0.57% | -0.60% | -0.14% | -0.78% | -0.67% | |
CHF | -0.15% | 0.05% | 0.11% | 0.07% | 0.56% | -0.11% | 0.67% |