ゴールド価格予測

金価格は月曜日、水平抵抗線である2,008-2,010ドルを突破し、5月中旬以来の高値となる2,018ドル台に上昇しました。
現在、金価格は2015ドル前後で推移しています。
2週間前に公表された米消費者物価指数の低下を受けて、米連邦準備制度理事会の金融引き締めサイクルが一時停止するとの観測が高まりました。更に市場は2024年の利下げの可能性を織り込んでおり、米ドルは約3週間ぶりの安値となり、11月13日に付けた月間安値である1,950ドル割れの水準から上昇傾向が続く可能性を支えています。

概要

目次

世界的な景気後退懸念が、金価格を後押し

世界的な景気後退に対する懸念が、金価格の短期的なプラス見通しを裏付けています。とはいえ、アジアの株式市場での上昇基調が金価格の重しとなっており、トレーダーも米国個人消費支出（PCE）の発表を待つことでより意味のあるキッカケを掴もうとする傾向にあります。
他に7-9月期四半期実質国内総生産、ジェローム・パウエル議長の演説が短期的なトレード機会となると見込まれています。

市場動向

・金価格はFRBの利下げ観測から引き続きサポートされています。
・FRBが利上げを終了したとの見方が強まり、金価格が2,000ドルの心理的な水準を超えて推移しています。
・2週間前に公表された米国の消費者物価指数の低下を受けて、FRBが現在の金利水準で政策を維持し、2024年に緩和方針に転じるとの期待が高まっています。
・金利上昇で住宅購入費用が高騰したことが背景に、月曜日に発表された米新築一戸建住宅販売が10月に予想以上に落ち込みました。
・10年債利回りは2ヵ月ぶりの低水準で推移し、米ドルを3ヵ月ぶりの低水準まで引き下げました。
・景気後退のリスクの高まりが、貴金属を支えていますが、株式市場の上昇基調が上値を制限しています。

金のテクニカル分析

金価格は2,008-2,010ドルのレジスタンスブレイクポイントを上回っています。

テクニカル的には、月曜日に水平レジスタンスである2,008-2,010ドルを突破したことが、ブルトレーダーにとって新たなキッカケとなりました。
さらに、日足チャートのオシレーターはプラス圏で推移しており、買われすぎの水準にはまだ遠く及んでいません。
これは、金価格のレジスタンスの最小抵抗線は下方向にあることを示唆しています。したがって、次の重要なレジスタンスである2,035ドル付近をテストするまでの上昇の可能性は高いと考えられます。その後、勢いが続けば、2,048ドルの中間レジスタンスを経て、5月につけた年初来高値である2,078ドル付近まで上昇する可能性があります。

反対に、2,010-2,008ドルの抵抗ブレイクポイントは、2,000ドルの水準を目前に、当面の下げへの抵抗線となっています。その後、売り圧力が強まり、1,988-1,987ドルのレンジを下回ると、さらに深い下げに繋がる可能性があります。その後、金価格は1,978ドルゾーンに向かって加速し、1,967-1,966ドルエリアと1,955ドルサポートゾーンに向かう可能性があります。このサポートゾーンを明らかに下回ると、現在約1,942ドル付近で位置されている200日単純移動平均線（SMA）と、100日SMAと50日SMAが合流する1,935-1,934ドルの合流点が露呈します。

重要: テクニカルな見方に基づいた分析は参考として提供されており、投資の決定をする際には他の要素と併せて考慮してください。

今週の米ドル相場

以下は、本日の主要通貨に対する米ドル（USD）の変動率を示した表です。米ドルはカナダドルに対して最も弱かったです。

	USD	EUR	GBP	CAD	AUD	JPY	NZD	CHF
USD		-3.58%	-3.98%	-2.00%	-4.42%	-2.07%	-5.05%	-3.37%
EUR	3.43%		-0.41%	1.52%	-0.84%	1.43%	-1.45%	0.18%
GBP	3.83%	0.39%		1.92%	-0.44%	1.85%	-1.05%	0.59%
CAD	1.96%	-1.56%	-1.94%		-2.39%	-0.07%	-3.00%	-1.35%
AUD	4.24%	0.81%	0.43%	2.32%		2.27%	-0.58%	1.01%
JPY	2.02%	-1.48%	-1.89%	0.08%	-2.32%		-2.97%	-1.25%
NZD	4.82%	1.43%	1.04%	2.93%	0.61%	2.87%		1.63%
CHF	3.25%	-0.22%	-0.60%	1.32%	-1.04%	1.22%	-1.65%