ゴールド価格予測

金価格は、前日に付けた2,040-2,042ドルの上昇を活かせずに、金曜日のアジアセッションでは、狭いレンジ内に収まって取引されています。一方で、貴金属は木曜日につけた約1カ月ぶりの高値の圏内にとどまり、米ドルの下落が支援材料となっています。

概要

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目次

XAU/USDに対しての新規買い注文を抑制？

木曜日発表の米国個人消費支出 (PCE) 価格指数は、1月の年間インフレ率が3年ぶりの低水準となったことを示し、FRBによる利下げの可能性を示唆しました。これが、ドルが前日の週足安値付近からの反発を持続できず、金価格を下支えする要因となっています。

とはいえ、FRBの関係者から出た最近のコメントからは、中央銀行が利下げを急ぐ必要はなく、6月の政策決定会合まで待つことを示唆しています。
この見通しは、米国債利回りの上昇を後押ししており、ドルの下落を抑制し、金価格の上昇を制限する可能性があります。

加えて、世界的な株式市場の上昇に示されるように、リスクオンのムードが強いことも、安全資産であるXAU/USDに対しての新規買い注文を抑制しています。そのため、さらなる上昇を期待する前に、慎重な姿勢が求められます。

市場動向

・金価格は様々なファンダメンタルズの手掛かりが交錯する中、レンジ内で推移しています。
・米国のコアPCE価格指数（食品とエネルギー価格を除いたFRBが推奨するインフレ指標）は1月に0.4%上昇し、年率は前月の2.6%から2.4%に低下しました。
・CMEグループのFedWatchツールによると、市場はまだ6月に最初の金利引き下げの可能性を織り込んでおり、FRB関係者の発言によって再確認されました。
・アトランタ連邦準備銀行ラファエル・ボスティック総裁は、米国のインフレ率が緩やかになっているペースから、中央銀行は夏頃にも利下げを開始するのが適切だろうと述べました。
・サンフランシスコ連邦準備銀行メアリー・デイリー総裁は、中央銀行は必要に応じて利下げを行う用意があるが、米国経済の力強さを考慮すれば、緊急性はないと強調しました。
・ニューヨーク連邦準備銀行ジョン・ウィリアムズ総裁は、米国中央銀行の次の動きは金利目標の引き下げである可能性が高いと繰り返し述べましたが、そのような動きの緊急性はないと述べました。
・米国債利回りは直近の高値から大きく離れておらず、世界的な株式市場全体でのリスクオンの相場拡大とともに、安全資産であるXAU/USDのさらなる上昇を抑えています。

金のテクニカル分析

金価格は引き続きプラスで週を終える勢い、上昇志向が継続の見込みです。
テクニカル面では、前日の2,040-2,042ドルの水平レジスタンスを抜けたことで、ゴールドトレーダーにとって新たな材料となりました。さらに、日足チャートのオシレーターはプラスに転じ、2月に付けた年初来安値の1,984ドル付近から反発の可能性を支持しています。

2,100ドルの大台に乗せるため、2,065ドル付近の次のレジスタンスゾーンを目指す展開は十分に考えられます。

重要: テクニカルな見方に基づいた分析は参考として提供されており、投資の決定をする際には他の要素と併せて考慮してください。

今週の米ドル相場

以下の表は、本日の米ドル（USD）に対する主要通貨の変動率を示しています。米ドルは日本円に対して最も強かったです。

	USD	EUR	GBP	CAD	AUD	JPY	NZD	CHF
USD		-0.14%	-0.06%	-0.07%	-0.20%	0.17%	-0.18%	-0.05%
EUR	0.13%		0.07%	0.05%	-0.06%	0.31%	-0.05%	0.09%
GBP	0.06%	-0.07%		-0.04%	-0.13%	0.24%	-0.12%	0.01%
CAD	0.09%	-0.03%	0.04%		-0.09%	0.28%	-0.08%	0.04%
AUD	0.20%	0.06%	0.13%	0.11%		0.37%	0.02%	0.15%
JPY	-0.16%	-0.31%	-0.23%	-0.26%	-0.36%		-0.34%	-0.22%
NZD	0.16%	0.02%	0.11%	0.09%	-0.04%	0.34%		0.11%
CHF	0.04%	-0.08%	0.00%	-0.05%	-0.13%	0.24%	-0.12%