ゴールド価格予測

FOMC議事録は、前回の発表よりかなりタカ派的と解釈されたため、金価格の上値が限られる可能性があります。FRBが制限的な政策を長く維持するという慎重なアプローチは、広くドル相場を押し上げ、金相場に売り圧力を加えています。

トレーダーは、5月の米製造業・サービス業購買担当者景気指数（PMI）速報値を注視するでしょう。弱い数値であれば、FRBの利下げ観測が強まり、金を下支えするかもしれません。
加えて、地政学的緊張、不透明感、そして根強いインフレなども、金価格を下支えし、短期的な下落を抑える可能性があります。その他では、シカゴ連銀全米活動指数、週次新規失業保険申請件数、新築住宅販売件数、そしてアトランタ連銀のラファエル・ボスティック総裁の発言にも注目が集まりそうです。

概要

金価格はFRBのタカ派的スタンスで下落幅を拡大させています。

木曜日の貴金属相場はマイナス傾向で取引されています。

先月のFOMC会合の議事録が示したタカ派姿勢により、金上値を抑える可能性があります。

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市場動向

・FOMCは政策会合の議事録を水曜日に公表、それによると「過去1年間でインフレは緩和したものの、委員会の2％の目標達成に向けたさらなる進展は見られなかった」と述べました。
・議事録はさらに、「現在のフェデラルファンド金利の目標範囲をこの会合で維持することが、引き続き堅調な経済成長を示すデータによって支持されていると評価した」と述べました。
・CME FedWatch Toolによると、投資家は、9月に最初の利下げが行われる確率を約60％、年末までに2回の0.25%ポイントの利下げが行われる確率を見込んでいます。
・5月の米国S&Pグローバル製造業PMIとサービス業PMIの速報値は、それぞれ50.0と51.3で横ばいが見込まれています。
・中国人民銀行（PBoC）は、過去1年間で世界の中央銀行の中で最大規模の買い手でした。昨年、金準備高を225トン積み増したのは、少なくとも1977年以来の最高記録でした。

テクニカル分析/ 金価格は日足で上昇トレンドを維持も、ベアリッシュダイバージェンスに注意。

金価格は本日下落基調で推移しています。しかし、日足チャート上では、重要な100期EMAを上回っているため、上昇トレンドは維持されています。14日間の相対力指数(RSI)も56.10と上昇余地が残る領域にあり、当面は買い手が優位性を保つでしょう。
ただし、XAU/USDは、5月20日に史上最高値を更新したにもかかわらず、RSI指標はそれ以下の高値を形成しており、モメンタムが鈍化しており、近いうちに価格の調整やレンジボンドが発生する可能性を示唆しています。

下値では、5月13日の安値である2,332ドルが金にとって最初のサポートレベルとなります。さらに下値にあるボリンジャーバンドの下限である2,270ドルにも注意が必要です。この水準を下回ると、2,216ドルの100期EMAまで下落する可能性があります。