ゴールド価格予測

概要

金価格は、火曜日のアジア時間を通じて狭い取引レンジで推移しています。
主要中央銀行の強気な見通しが引き続き金の逆風となっています。
米国債利回りの上昇がドルを支え、XAU/USDを抑制しています。

目次

1. 連邦準備制度理事会の不確実な利上げにはレンジ相場を招く

   連邦準備制度（FRB）の利上げパスの不確実性が、金価格の積極的な方向性を制約しています。FRBは先週、今年末までにさらに50bpの利上げが必要になる可能性があることを示唆しました。しかし、米国からの緩和的なマクロデータが、FRBが利上げを継続できる余地について疑問を投げかけています。そのため、焦点はFedのジェローム・パウエル議長の2日間にわたる議会証言に置かれ、米中銀の政策展望に関する新たな手がかりが探られ、XAU/USDの短期的な軌道が決まることになるでしょう。

2. 主要中央銀行の強気姿勢が金価格をを押し下げる

   一方、市場では7月にさらに25bpの利上げの可能性を織り込んでおり、米国のインフレ率が中央銀行の2%の年率目標を大きく上回っていることも影響しています。
   実際、オーストラリア準備銀行（RBA）とカナダ準備銀行（BoC）は先月、予想外の25bpの利上げを実施しました。さらに、欧州中央銀行（ECB）は先週、22年ぶりの最高水準に利上げし、インフレを抑制するためにさらなる引き締めを計画しています。イングランド銀行（BoE）とスイス国立銀行（SNB）も、今週後半に25bpの利上げを見込んでいます。

3. 米ドルの上昇がXAU/USDの上限を制約する

   さらに、米ドルの控えめな上昇は、米国債利回りの上昇に支えられており、金価格の下方向への抵抗が最も少ない道筋を示唆しています。ただし、世界的な経済減速への懸念は投資家のセンチメントを圧迫し続けており、これは株式市場の全体的な弱い傾向に表れております。
   これは安全資産であるXAU/USDをいくぶんサポートする可能性があります。そのため、最近の高値（約2,075-2,080ドル）からの急激な調整下落の再開を待つべきであり、強力な売り圧力が見られるまでトレーダーがポジションを取るのは慎重であるということです。

   この下方トレンドが続けば、ゴールド価格はまず1,900ドルの大台に向けて加速し、その後1,876-1,875ドルの水平サポートにさらに下落する可能性があります。