ゴールド価格予測

金価格は木曜日のアジアセッションで新たな買い注文を引き寄せ、前日の月間高値付近からのリトレースメントの下落の一部を逆転させています。
8月31日以来の最安値から2日間にわたる米ドルの回復が、米国の金利がピークに達したとの堅固な期待感の中で、100日単純移動平均線（SMA）付近で頓挫しています。これは、米国の債券利回りの新たな下落局面によって強化され、米ドルを弱体化させたことが、貴金属の追い風となっています。

概要

目次

心理的な水準である2,000ドルを下回る

貴金属は依然として心理的な水準である2,000ドルを下回っています。これは、2,010ドルの水平方向抵抗を前にした繰り返しの反発失敗を受けたこと、米国の感謝祭の祝日を控えて取引時間が比較的短い中、新規注文などの取引に慎重な姿勢を見せて居ます。
しかし、米連邦準備制度理事会の緩和的な見通しはXAU/USDの追い風となり得ることから、調整的な下落は依然として買い機会とみなされ、限定的なものにとどまる可能性が高いことを示唆しています。

市場動向

・ドル安の再燃を支援材料に金価格は再びプラスに転じています。
・FOMC議事録公表後のドル反発は、FRBがこれ以上利上げしないとの見方から失速しました。
・利上げを長期化させ、インフレ抑制の進展が鈍化すれば、さらなる引き締めに踏み切る姿勢を改めて示しています。
・現行の市場価格は、米中央銀行が2024年5月までに利上げを始める可能性が50％を超えていることを示しています。
・水曜日に発表された予想を上回る米労働市場と消費者心理のデータに影を落としています。
・先週、新たに失業手当を申請したアメリカ人の数は予想以上に減少し、20万9000人とここ1ヶ月以上で最低の水準でした。
・ミシガン大学の消費者心理調査によると、11月の米消費者のインフレ期待は2ヵ月連続で上昇しました。
・10月の米国製造業の長持ち商品の受注が予想以上に減少し、経済需要の鈍化を示唆しました。
・米国の感謝祭休暇を背景に取引量が減少し、2,010ドルの水準で何度も失敗しているため、買いトレーダーには注意が必要です。

金のテクニカル分析

買いトレーダーが主導権を取り戻すには、金価格は2,010ドルの壁を越える必要があります。
現在の水準から、2,000ドルを超える動きは、引き続き2,007ドル付近の堅い抵抗に直面する可能性があります。10月高値の2,009から2,010ドル突破、更に10月につけた数カ月のピークを突破するような追随買いがあれば、新しいトリガーと見なされるでしょう。その後、金価格は2,022ドルの中間レジスタンスに向けてさらに上昇を加速し、2,040ドル付近へ向かう可能性があります。

一方で、1,989-1,988ドルや1,979-1,978ドル、週間安値の1,965ドル近辺が直近の下値を守る可能性が高く、この支えで下げ止まらなければ、200日移動平均線の1,940ドルまでテクニカル的売りが加速する可能性があります。
さらにその下では50日・100日SMA合流点の1,933-1,932ドルも重要となりそうです。

重要: テクニカルな見方に基づいた分析は参考として提供されており、投資の決定をする際には他の要素と併せて考慮してください。

今週の米ドル相場

以下は、本日の主要通貨に対する米ドル（USD）の変動率を示した表です。米ドルはニュージーランドドルに対して最も弱かったです。

	USD	EUR	GBP	CAD	AUD	JPY	NZD	CHF
USD		-0.16%	-0.12%	-0.06%	-0.16%	-0.23%	-0.48%	-0.17%
EUR	0.14%		0.03%	0.08%	-0.02%	-0.09%	-0.33%	-0.02%
GBP	0.11%	-0.04%		0.04%	-0.05%	-0.11%	-0.36%	-0.05%
CAD	0.05%	-0.10%	-0.06%		-0.11%	-0.17%	-0.42%	-0.12%
AUD	0.18%	0.01%	0.05%	0.11%		-0.06%	-0.31%	0.00%
JPY	0.23%	0.07%	0.11%	0.17%	0.05%		-0.23%	0.06%
NZD	0.47%	0.32%	0.36%	0.39%	0.31%	0.24%		0.30%
CHF	0.17%	0.02%	0.05%	0.10%	0.00%	-0.06%	-0.30%