ゴールド価格予測

金価格は火曜日のヨーロッパセッションで下落し、前日の2,315-2,314ドル付近、つまり3週間ぶりの安値からの回復を削っています。しかし、FRBが今年後半に利下げを行うとの確信が強まっていることから、下落は限定される見通しです。
その結果、米ドルは約2カ月ぶりの安値圏まで下落し、引き続き貴金属にとっては追い風となるでしょう。
これ以外に、地政学的な緊張が続いていることから、金価格の短絡的な上振れ見通しを支える材料となっており、その後の調整はさらなる上昇余地がサポートされています。

また、非農業部門雇用者数（NFP）など今週発表される米国経済指標発表を控えて投資家は様子見をする可能性があります。加えて、水曜日にはカナダ中銀の金融政策決定会合、木曜日には欧州中央銀行理事会といったイベントリスク金価格に影響を与え、短絡的な値動きを左右する可能性があります。

概要

金価格は複数の支援材料も下落基調で推移しています。

FRBの利下げ見込みがドルを約2ヶ月ぶりの安値に押し下げているが、XAU/USDの買い手を呼び込む材料にはなっていません。

投資家は、今週予定している、米国経済指標発表と主要中央銀行のイベントリスクに注視しています。

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市場動向

・FRBの利下げ観測の見込みにも関わらず、貴金属は追加買いを誘引出来ませんでした。
・インフレ圧力の緩和と経済成長の鈍化の兆しにより、FRBによる年内利下げ観測が高まっています。
・米経済分析局（BEA）が金曜日に発表した個人消費支出（PCE）価格指数は2.7%で横ばい、コア指数は2.8%上昇し、予想と一致しました。
・月曜日に発表された5月ISM製造業PMIは、約2年ぶりの大幅な新規受注減を受けて48.7と前月の49.2から低下しました。
・この結果、米国債利回りは一段と低下し、金利動向に敏感な2年物国債と10年物国債の利回りは5月21日以来の低水準となりました。
・米ドルは4月10日以来の安値水準まで下落し、中東の地政学的緊張と相まって金価格を下支えする可能性があります。
・投資家は、火曜日の米経済指標、JOLTS求人件数と工場受注、水曜日の米雇用統計処理組織(ADP)による民間雇用者数と、金曜日の雇用統計(非農業部門雇用者数)の発表に注目しています。

テクニカル分析/ 金価格は50日単純移動平均線の重要なサポートライン2334ドル付近を維持。

テクニカル面では、2,360ドル付近が最初のレジスタンスとなり、その後は2,364ドル水準が控えています。後者を超える追随買いがあれば、買いが続き、2,385ドルの中間レジスタンス、そして2,400ドルへと上昇していくでしょう。
モメンタムは2,425ドルゾーンから2,450ドルゾーン、または5月に付けた史上最高値へと向かう可能性があります。

一方、下値では50日単純移動平均線がサポートラインとなり、現在は2334ドル付近あります。さらに下の支援線は2325ドルのフラットラインと、金曜日の安値圏2315-2314ドル付近が控えています。日足チャートのオシレーターが陰転し始めたばかりであることを考えると、これを割り込むようなことがあれば、より深い下落に繋がるでしょう。
その後、金価格は2300ドルの大台をさらに割り込み、2285-2284ドル付近の次のサポートを試す展開となる可能性があります。