ゴールド価格予測

金価格は木曜日のヨーロッパセッション序盤に新たな供給圧力に遭い、一時的に前日付近の2,341-2,342ドル付近で記録した週次ピークから3日間の上昇を止め、反落しています。
FRBが水曜日に示したスタンスは、米国の消費者物価指数が軟調だったことをはるかに上回るインパクトを与えました。
実際、2024年の利下げ回数を3回 (3月に予想されていた) からわずか1回に減らすと見ており、このことが貴金属への資金流入を阻害する主要因と考えられています。

一方、FRBの見通しの変化は、米国債利回りを押し上げ、ドルを数日ぶりの安値からの反発を後押ししています。これにより、ドル建ての金価格がさらに下落圧力にさらされていますが、中東の地政学的な緊張と欧州での新たな政治不安が、下落幅を限定する要因となる可能性があります。

トレーダーは現在、短期的な取引機会を求めて、木曜日の米国の経済指標発表、特に生産者物価指数 (PPI) と新規失業保険申請件数に注目しています。

概要

金価格は0日移動平均線 (SMA) の抵抗水準からの反落基調を継続しています。

FRBが今年の利下げ幅を縮小するとの見通しを示したことが、金価格に影響を及ぼしています。

トレーダーは米国の生産者物価指数 (PPI) と新規失業保険申請件数の発表に注目しています。

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市場動向

・FRBの利下げ見直しでドルを押し上げ、金価格は弱含みに転じています。
・FRBが、年内の利下げは1回のみとの見解を示したことで、水曜日に発表された米消費者インフレ率の軟化に対する当初の市場の反応は急速に薄れ、その結果は金価格にとってマイナス要因となっています。
・米労働統計局(BLS)は、消費者物価指数(CPI)の変化で測定される5月のインフレ率が、昨年6月以来初めて横ばいとなり、年率は3.4%から3.3%に低下したと報告しました。
・変動の大きい食品価格とエネルギー価格を除いたコアCPIは、4月の3.6％上昇やコンセンサス予想の3.5％上昇に対し、当月は0.2％上昇し、年間では3.4％上昇しました。
・FRBは2日間の政策委員会の終了後、金利を据え置き、2024年の政策金利は5.1%に低下すると予想しました。これは3回の利下げ予測から、1回のみの利下げを示唆しています。
・FRBは中立金利の見通しを前回の2.6%から2.8%に上方修正し、ドルをわずかに押し上げ、米ドル建て商品からの資金流出に拍車をかけました。
・フランス大統領のエマニュエル・マクロン氏が今月後半に解散総選挙を行うことを決定したことで、ユーロ圏第2の経済大国での政治的不確実性が高まり、貴金属の需要を支える可能性があります。

テクニカル分析/ 2,285ドルのサポートを下抜けると、売りが加速？

テクニカル的には、50日移動平均線 (SMA) のサポート水準がレジスタンスに転換した後の反落と、それに続く下落は、売り手に有利です。さらに、日足チャート上のオシレーターはネガティブゾーンにあり、金価格の下落圧力をサポートしています。とはいえ、これ以上の下落は2285ドルの水平ゾーンの手前の2300ドル付近でサポートされる可能性が高そうです。
継続的な売り圧力は、売り手にとって新たな材料となり、XAU/USDは2,254ドル-2,253ドル付近のサポート水準に向かって下落を加速させる可能性があります。