■経済ニュース・シリコンバレー銀行が破綻

米連邦預金保険公社(FDIC)は3月10日、カリフォルニア州に本店を置くシリコンバレー銀行が経営破綻したと発表。

  • シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)とは
    • アメリカ合衆国カリフォルニア州に本拠を置く銀行で、主にスタートアップ企業やベンチャーキャピタルにサービスを提供しています。同行は、技術革新やイノベーションを重視する企業に特化した金融サービスを展開し、特にテクノロジーやライフサイエンスなどの成長産業に注力しています。

      シリコンバレー銀行は、1983年に設立され、その後急速に成長し、現在ではアメリカを中心に世界中で事業を展開しています。同行は、スタートアップ企業の資金調達を支援するだけでなく、経営戦略やビジネスモデルの構築にも積極的に関わり、顧客企業の成長を支援しています。

  • シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)の歴史
    • 創業者のアンディ・バイヤーズとロバート・メディーナは、シリコンバレーにおけるテクノロジー産業の発展を見据え、銀行業界に新しいアプローチを導入することを決めました。彼らは、従来の銀行がテクノロジー産業の特殊なニーズに対応できないことに着目し、スタートアップ企業の資金調達を支援することに特化した銀行を設立することを決めたのです。

      同行は、設立当初から急速に成長し、1987年には初めての海外拠点をロンドンに開設しました。以降、アジアやヨーロッパなど、世界各地に拠点を展開し、グローバルな金融サービスを提供するまでに成長しました。

  • シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)破綻まで
    • 2022年に入り、シリコンバレー銀行は貸し出し先の企業に対する不良債権が増加していることが報告されていました。

      2022年11月、シリコンバレー銀行の親会社であるSVB Financial Groupは、銀行の財務状況に関する懸念があることを示唆する声明を発表しました。声明では、銀行が融資先の企業に対して貸し出し基準を緩めたことにより、不良債権の増加が起きたことが原因であると説明されています。

      その後、2023年1月にはシリコンバレー銀行が連邦預金保険公社(FDIC)によって監視対象に指定され、銀行の財務状況に対する不安が高まりました。同月中には、シリコンバレー銀行が債務超過に陥り、財政支援を受ける必要があるとの報道がありました。

  • 破綻による影響
    • 金融危機以降で最大の米銀破綻となり、株式市場では世界的に銀行株が売られ、巨額の時価総額が吹き飛びました。
      3月10日の米国株式市場では、S&P500地銀株指数が4%下落し、週間の下落率は18%に達し、2009年以降で最大の下落幅となりました。S&P500銀行指数はこの日0.3%安で、週間では11%超の下げとなりました。
      このニュースはリーマンショック以来の規模となります。