■経済ニュース・クレディ・スイス、スイス国立銀行から最大7兆円借り入れ計画
アメリカの銀行の経営破綻やスイスの大手金融グループの経営悪化への懸念から、円相場は値上がりしています。
- 市場で急激に落ち込んだ同行への信頼回復に
- 2008年の金融危機以来
- クレディ・スイスを危機に陥れたのは
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クレディ・スイス・グループは16日、カバードローン・ファシリティーの下で、スイス国立銀行(中央銀行)から最大500億スイス・フラン(約7兆1500億円)を借り入れる計画を発表。
発表文によれば、同行はドル建て・ユーロ建ての社債最大約30億フラン相当を公開で買い戻す方針です。
ウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者はその中で、「クレディ・スイスが戦略的転換を続ける上で、こうした措置は当行を強化する断固とした行動を示すものだ」と指摘。「顧客ニーズに合わせ一段とシンプルで的を絞った銀行となるよう、チーム一丸で迅速に前進する決意だ」と説明しました。
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スイスの大手銀行としては2008年の金融危機以来となる異例の措置で、クレディ・スイスの財務テコ入れでは最大規模となります。
世界的に銀行株が売りを浴びる状況にあって、経営立て直しへの市場の疑念が根強い同行の株価は15日のチューリヒ市場の取引で最大31%下落し、社債価格はディストレスト債のレベルにまで落ち込みました。
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クレディ・スイスでは近年、ブルガリアの麻薬組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)を巡る有罪判決、モザンビークでの汚職への関与、元従業員と幹部が関与したスパイ・スキャンダル、顧客データのメディアへの大量リークなど不祥事が相次いでいました。
今回の場合は、クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクのアンマル・フダリ会長が同行に追加投資をすることはないと明言したことにより混乱が拡大しました。